アプリのバージョン : 2.0.37(Android版)
ToupTekのStellaVitaアプリを開いたら、アップデートの案内が出ていました。バージョン v2.0.37、日付は2026年9月24日です。

更新内容は英語で5項目。
- Added Mosaic Plan Capture support.(モザイク計画撮影に対応)
- Added Multi-Star Autofocus support.(マルチスター・オートフォーカスに対応)
- Added calibration support for certain focusers.(一部フォーカサーのキャリブレーションに対応)
- Fixed a potential crash after capturing images with certain DSLR cameras.(一部の一眼レフで撮影後にクラッシュする可能性がある問題を修正)
- Optimized INDI device connection timeout cancellation.(INDIデバイス接続タイムアウトのキャンセル処理を最適化)
一行ずつだとあっさりしていますが、上の2つはかなり大きな追加です。それぞれ何を意味するのか、自分なりに整理してみました。
モザイク計画撮影に対応
モザイク撮影は、望遠鏡の視野に収まらない大きな天体を何枚かの区画(パネル)に分けて撮り、あとでつなぎ合わせる撮り方です。アンドロメダ銀河や北アメリカ星雲、網状星雲の全体などが定番の対象です。
これまでStellaVitaでモザイクをやろうとすると、パネルごとの座標を自分で計算して、別々のターゲットとして登録するしかありませんでした。重なりの幅を間違えるとつなぎ目に隙間ができるので、正直あまりやる気が起きなかった部分です。「モザイク計画撮影」という名前からすると、パネル数や重なりを指定すれば、座標の割り出しから導入・撮影までアプリが順番にやってくれる形になったのだと思います。
海外のレビューを見ても、モザイクは「StellaVitaに足りない機能」としてよく挙げられていました。やっと来た、という感じです。
マルチスター・オートフォーカスに対応
オートフォーカスは、フォーカサーを少しずつ動かしながら星の大きさ(HFR)を測って、いちばん小さくなる位置を探す仕組みです。これを1つの星だけで測るか、画面内の多数の星の平均で測るか、の違いです。
1つの星だけだと、その星がシーイングで揺らいだり、薄雲がかかったりしただけで判定がぶれます。多数の星の平均なら、そういう外れ値が均されるので、ピント位置が安定しやすくなります。
無人で一晩撮っていると、途中のオートフォーカスが1回外れただけで、そこから先の何時間分がまるごとピンボケ、ということが起こり得ます。海外のレビューでも「Gフィルターだけピントが合わず、G画像が使えなかった」という報告がありました。地味ですが、枚数を稼ぐうえでは一番ありがたい改善かもしれません。
残りの3つ
フォーカサーのキャリブレーションは、対応するフォーカサーで、向きを反転したときのギアの遊び(バックラッシュ)やステップ量を測って補正できるようになった、ということだと思います。オートフォーカスの精度は、フォーカサーが狙った位置に正確に戻れるかどうかにも左右されるので、マルチスターAFとセットの改善です。
一眼レフのクラッシュ修正は、一眼レフやミラーレスで撮っている人向け。ひとつ前の更新で一眼レフのRAW保存に対応したので、その関連の修正かもしれません。
INDI接続タイムアウトのキャンセル改善は、電源が入っていない機材などに接続しようとして待たされるときに、すぐキャンセルできるようになった、という使い勝手の改善です。寒い中でセッティングしているときに固まって待たされるのは地味にストレスなので、これも助かります。
iPhone版について
自分はAndroidしか持っていないので、iPhone版は確認していません。App Storeのページを見ると、同じ内容(モザイク計画撮影・マルチスターAF・フォーカサーのキャリブレーション)の更新が「2.0.16」という番号で出ているようで、OSによってバージョン番号の数え方が違うようです。iPhoneの人は番号ではなく更新内容で確認したほうがよさそうです。
モザイク計画撮影の設定画面を触ってみました
晴れる前に、まず昼間に設定画面だけ触ってみました。実際に夜空へ向けたわけではありませんが、流れはだいたいつかめたので書いておきます。
メインカメラの設定はいつも通りで、使用しているSVBONY SV605CCのゲインと露出時間をここで決めます。今回はゲイン20・露出180秒に設定しました。
次にモザイク計画撮影の画面を開き、対象(試しにM31アンドロメダ銀河)を選んで、行2×列2・オーバーラップ10%でグリッドを指定してみました。星図の上に枠が重なって表示され、回転角度もスライダーで変えられます。

設定を確定すると、4分割されたパネルがそれぞれ個別のターゲットとして自動生成されました。パネルごとに座標(RA/Dec)が振られていて、それぞれの高度カーブも個別に表示されます。想像していたとおり、パネルの座標計算は自分でやらなくてよくなっていました。

それぞれのパネルには、メインカメラの設定を引き継いだ「モザイクタスク」が自動で割り当てられていました。タイプはライト、撮影枚数1、ゲイン20、露出180秒、BIN 1×1。パネルごとに違う設定にしたい場合は、ここに個別のカスタムタスクを追加することもできそうです。

撮影計画の一覧画面では、モザイクのパネルも通常のターゲットと同じリストに並び、進捗(何枚撮り終えたか)や全体の合計撮影枚数・所要時間が表示されるようになっていました。パネル単位で導入・撮影が順番に進む形になっているようです。
ここまでは全部、日中に触って確認しただけです。実際に導入・撮影・つなぎ合わせがどのくらいうまくいくかは、下の項目で書いたとおり、まだこれからです。
まだ試せていません
設定画面は一通り触ってみましたが、モザイクもマルチスターAFも、まだ実際の空では試せていません。晴れたら、モザイクは何パネルでどのくらい時間がかかるのか、マルチスターAFは1回あたり何秒かかるのかを測ってみるつもりです。
ちなみに、以前作った撮影終了時刻シミュレーターは、今のところモザイクには対応していません。パネル間の移動にどのくらい時間がかかるのかがわかったら、こちらも考えてみます。
StellaVitaは更新のたびに少しずつ使いやすくなってきている印象です。次の晴れ間が楽しみです。