アプリのバーション : 2.0.24 Coreバージョン : 2.0.30
先日、TouptekのStellaVita撮影計画を組んで機材をセットし終えたところで、ふと気になりました。「翌朝、何時に撮影が終わるんだろう」。
StellaVitaのタスクの設定画面では、撮影タイプ・撮影枚数・ゲイン・露出時間・BIN・フィルターホイール・撮影間隔まで、かなり細かく設定できます。

でも、肝心の「何時に終わるか」だけは、どこにも出てきません。
実は「撮影計画設定」の画面には、開始時刻と終了時刻を手動で入力できるトグルがあります。

ただこれは、「今のタスク構成だと何時に終わるか」を教えてくれる機能ではなく、「指定した時刻になったら強制的に撮影を打ち切る」ための項目です。終了時に赤道儀をパークしたり、冷却をオフにしたり、StellaVita自体をシャットダウンしたりする自動化とセットになっている、いわば安全装置。知りたかった答えとは、少し違うものでした。
単純な足し算では終わらない理由
画面に表示されるのは「総撮影時間」だけ。開始時刻に足せばいいだけの話に思えたのですが、実際に計算してみるとそう単純ではありませんでした。撮影計画には、露出時間そのもの以外にも時間を食う要素がいくつも隠れています。
- 撮影間隔(ダウンロード待ちやディザリング)
- フィルター切替
- オートフォーカス
特にオートフォーカスは見落としがちでした。1回あたり数十秒くらいだろうと思っていたのですが、調べてみるとASIAIRやN.I.N.A.のようなV字カーブ方式のオートフォーカスは、フォーカサーを複数ポジションに動かして各ポジションで露光・解析を繰り返す仕組みのため、1回で60〜180秒かかることも珍しくないとわかりました。StellaVitaでも体感的にそれに近い時間がかかっている感覚があります。ナローバンドフィルター(Ha/OIII/SIIなど)は1ステップの露光を伸ばす必要があるため、さらに長引きます。
試しに数字を当てはめてみます。「30分ごとにオートフォーカス」という設定で8時間の撮影セッションを組んだ場合、オートフォーカスだけで15回前後実行される計算になり、1回90秒としても単純計算で20分以上が積み上がります。
総撮影時間だけを見て「◯時に終わるはず」と考えていると、実際にはそこから20〜30分ズレていく――というのが、今回感じていた「地味に不便」なポイントでした。
作ったもの – 撮影終了時刻シミュレーター
そこで、撮影タスク(タイプ・フィルター・撮影枚数・露出時間・撮影間隔)とオートフォーカス設定を入力すると、割り込みも含めて積み上げ計算し、実際の撮影終了時刻を秒単位で出してくれるツールを作りました。
- 撮影タスクは複数追加できるので、L/R/G/Bやナローバンドをまたぐ実際のシーケンスをそのまま再現できます
- オートフォーカスは「◯分ごと」「フィルター切替時」「◯枚ごと」の条件を組み合わせて設定できます
- 開始時刻を入れれば、終了予定時刻とタスクごとの内訳(開始〜終了、オートフォーカスの挿入位置)が一覧表示されます
ブラウザだけで完結する簡易ツールなので、登録もサーバーへのデータ送信も不要です。StellaVita以外でも、ASIAIRやN.I.N.A.などで撮影計画を組んでいる方であれば同じように使えます。
使ってみてどう変わったか
いちばん変わったのは、寝る前の逆算ができるようになったことです。
「23時に撮影を始めて、翌朝何時までかかるか」がその場でわかるので、アラームの時間や翌日の予定を事前に組みやすくなりました。
オートフォーカスの分だけ想定より遅くなる、という地味なストレスがなくなったのも収穫です。
